靴下博物館

11月11日は、くつしたの日


 靴下は左右がペアとなってその役割を担い、2足並べた時の形が「11 11」に見えることから、日本靴下協会では靴下を記念するペアーズデイとして、11 月11 日を「くつしたの日」といたしました。
 1年でたった1 度、ペアとペアが重なるペアーズデイ、11 月11 日には大切な人に靴下を贈ってみてはいかがでしょうか。
 くつしたは左足右足ペアーとなって、足元の着用が楽しめる。くつしたを記念するペアーズディが11月11日。
 11月11日のように月と日が重なる日を、古い中国の暦で「節句」といった。節句というのは、年に何回かある季節の折り目のことで、神に供え物をし、それを食べ合って健康や霊力の増進を祈った。
 元旦に食べるおせち、3月3日の雛あられ、5月5日の柏もちも、この節句の習慣にある。
 「くつしたの節句」には、くつしたを贈り合うのがいい。1年で1度、ペアーとペアーが重なるペアーズディ、11月11日。
 それは儀礼的なバレンタインディやバースディともちょっとちがう、ペアーふたりがいっぺんに歓べる日。大切な人と、くつしたを贈り合う日。

アーガイル、愛の合図 Argyle

 くつしたの模様といえば、ダイヤの形を組み合わせたかわいい柄が、よく見受けられる。これをアーガイル模様と呼ぶ。これには、ちょっとした伝説が隠されている。
 かつてスコットランドにあったアーガイル城。その王女が恋人への贈り物に、ぜひともオリジナルな柄を届けたいと思った。何十日も苦心したあげく、スコットランドのタータン(チェック模様)を基本に編みだしたのが、アーガイル模様だった。これを編むには、針の頭を移したり、まわしたり、減らしたり、増やしたり‥‥しなければならず、愛がなければ編みあげられない。また、とてもオリジナリティーの高い模様のため、類似品や物真似が出ることもなかった。かくて、今もダイヤ柄とも呼ばれて親しまれている。
 ダイヤの数は5つが一番安定性があり人気もあるが、3つのもある。
そういえば、昔、アーガイル柄のくつしたを履くと、赤色のダイヤのところだけヒフがただれる、という話もあった。その原因は、濃い色を染めると糸がかたくなるため、柔軟剤を使用したことによる。くつしたの赤色についた柔軟剤の水洗が十分でなかったために、ヒフに害を与えることになった。むろん、今はそんなことはない。
 愛があるなら、アーガイル。愛する人に、気持ちをこめて。

“くつしたの日”制定記念として作成された、
荒俣宏氏著作・監修の『THE BOOK OF SOCKS AND STOCKING』より