靴下博物館

ストッキング旋風Panty hose

 マリークァントが1959年に発表し、アンドレ・クレージュが1965年のコレクションで採用したミニスカート。イギリスのモデル、ツイッギーがはいて一世を風靡した。けれど、ミニスカートが60年代を通して全世界を席捲した背景には、パンティーストッキングの登場とその急速なバリエーションの発展がある。
 このヒザ上20センチ、30センチというスカートでは、従来のガードルとストッキングの組み合わせによってできる隙間(スキンギャップ)を覆うことはできない。そこでストッキングの延長上にパンティーを付けた形のパンティーストッキングが考案されたのである。
 下半身の露出感を弱め、「何か」はいているという安定感を与えるこの新発明は、女性たちに、スカートを上げても決して肌が見えないという保険として急速に受け入れられ、パンストの普及がミニスカートの流行に拍車をかけるという、なんだかとても矛盾した関係式ができあがった。

“くつしたの日”制定記念として作成された、
荒俣宏氏著作・監修の『THE BOOK OF SOCKS AND STOCKING』より