第2の生命大爆発なのだ！ (NAIGAI×祖父江慎さん)

ビジネス向けハイソックスのF&Hと、高級なビジネスソックスのシリーズSUPERIORの中でも、希少な綿ということで知られている海島綿を使って編み立てられた１足。いずれも、10年以上のロングセラー商品としての称号でもある「NAIGAI TRADITIONAL」というブランドに属している。
これまでにマイナーチェンジを行ったことはあったが、この企業100周年というタイミングで、アートディレクターの祖父江慎さんにお声がけをして、全く異なるイメージに仕上げてもらったのだ。

NAIGAI TRADITIONAL×アートディレクター　祖父江慎さん

前回の記事でご紹介したように、祖父江さんはくつしたと過ごすことをとても愛してくれている。そんな祖父江さんが、今回２種類のビジネスソックスを、誰でも楽しめるようなくつしたに作りなおしてくれた。

左側の２種類のボーダーがF＆H、右側のカラフルな5足がSUPERIORだ。
定番のアイテムと見比べればその違いは一目瞭然。ビシッとしたスーツにふさわしい、シンプルなダークカラーのくつしたが、ここまで印象の違う商品に生まれ変わった。

足底にプリントされた生き物が気になる。これは、何だろう。

「ナイガイのキャラクターでもあるあしどりくんは空を飛ぶソックスですよね。ぼくは、100年のお祝いに大地を歩き始めたときのことも思い出してみようと思ったんです。そこで初めて陸上に進出した両生類の“アカントステガ”をヒントに足もとに注目してみました。地面を感じながら生活するためにくつしたの裏側に最初の両生類の化石を忍ばせてみたんですよ。」

これを履いて両生類だった時のことも思い出してみてね、とお茶目な一言も。
ベースはメンズ向けのくつしたではあるけれど、男性にも女性にも履いて欲しい。

「歩く魚“つちふみくん”は、最初の両生類のイメージからつくられたキャラクターです。

水のなかで暮らしていた生き物が初めて大地を歩き出したときに、自分の重さを全て引き受ける足の裏と地面の間に、優しい布があったとしたら、これ以上の幸せはないんじゃないかしら。

くつしたを履いて歩く魚、“つちふみくん”、かわいいでしょ。

このつちふみくんのリアルな骨格の絵をくつしたの裏に潜ませることにしました。リアル化石バージョンつちふみくんです。これで地球のことをいつも思い出せます。自分からは見えにくいけれどね(笑)。」

そして、くつしたで避けられる“白色”についても言及してくれた。
「あえて白いプリントにしています。白は汚れが目立っちゃうからいやだ、という意見はあるかもしれないけれど、それを汚しちゃいけない、と考えすぎなくていい。
ぼくは本のデザインを多くやっているんですが、書店にある本はまだ本ではないと思ってるんです。購入して自分のものになった時に初めて本になるんです。更に汚さないようにきれいに読もうとしたりするでしょ。そんなことはしないで、思いのままに汚したらいい。
くつしたもそう。自分のものとして履いた時にやっとくつしたになる。だから白いところも汚れていいのです。自宅の埃の様子はどんなかな？なんてくつしたについた汚れと会話してみたりね。化石という「時間の記憶」とともに生活してみるという喜び、楽しいよ。」

ユニークで奥の深いくつしたとの向き合い方は感服してしまう。

ボディの可愛らしい配色には明確な意味が。F&Hは「ストレートな気持ち」、SUPERIORは「明るい気持ち」を表したそう。SUPERIORのカラフルな色味は、天然素材ということもあり表現をするのがとても難しく、現場と試行錯誤で作り上げた。

この第2の生命と共に、大地を踏みしめてみてはいかがだろう。

★くつしたの詳細はこちら
★祖父江さんのインタビューはこちら