はまぐりちゃんの生みの親(西野さおりさん)

以前の記事で紹介した人気キャラクター、はまぐりちゃん。
生まれるきっかけは?どんな人が描いているのだろう。そんな興味があり、生みの親である人物に会いに行った。


株式会社ナイガイ 企画開発部 企画室
西野さおりさん



なんと、くつしたのデザイナーがこのキャラクターを描いていたのだ!
「当時デザインを担当していたハマグリパイルソックスを、もっと若い人にも履いてもらいたいというMDの思いから、そのとき流行っていた“ゆるキャラ”に便乗してこのキャラクターを作ることが決まりました。
商品が“ハマグリパイルソックス”という名前なので、くつしたの雰囲気と貝のハマグリをモチーフにデザインしました。」

2009年当時、ハマグリパイルソックスを愛用してくれている方の年齢層は高く、若いマーケットへ向けてパステルカラーのかわいい色の商品も展開を始める時だった。
販促の一環として、こうしたキャラクターを活用していこうと考えられたのだが、まさか10年以上も愛され続けるとは思っていなかった、と西野さんも驚いていた。
くつしたのデザイナーなのに、キャラクターデザインもできるなんてすごいですね!と伝えると、そのルーツは子供時代の「絵を描くのが好き」という思いに戻る。

まだ小学生の頃、世の中にどんな職業があるのかわからなかったため、絵を描く職業=デザイナー、と思っていたそう。通っていた学校の卒業式で、卒業証書授与の時に将来の夢を大きな声で宣言する、という慣わしがあったそうで、そこで「将来の夢はデザイナーになりたいです!!」と言ったことを今でも覚えているとのこと。

それから高校生まではスポーツ中心の生活を送っていたが、その後の進路を考えた時に「美術系の道に進みたい」でも「手に職をつけたい」という条件を考慮し、服飾の専門学校へ進学。就職を考える時期になった時にくつしたのデザイナーを選んだのは、たまたま見つけたナイガイの求人から、くつしたというニッチな分野を突き詰めることに興味を抱いたからだそう。

クラスメイトが、帽子や舞台衣装などの企業へ進んでいったり、自分で起業する様子を見ていたため、いわゆるファッションブランドの1デザイナーになるというより、比較的専門性の高い分野に進むことが彼女にとっては自然な流れだった。

改めて西野さんの過去を振り返ると、確かに、“絵を描くデザイナー”になれたので、小学校卒業時の宣言は、じっくり時間をかけて実現できたということだ。
担当ブランドの移動もあり、今西野さんは、ハマグリパイルソックスそのもののデザインは手がけていないが、ここ数年、このキャラクターのファンのために社内で企画された販促・広報活動に、新たな絵を描くなどして協力してくれている。

「最初は簡単な静止画としてしか想定していなかったので、動きをつけるのが大変です。顔を大きくしすぎたので…万歳をさせるのが大変ですね(笑)。」

せっかくなので、西野さんがはまぐりちゃんを描いている動画を作ってみた。いつもはイラストをPCで仕上げているそうだが、今回は手描きの様子を撮影させてもらった。
今後も西野さんの描くはまぐりちゃんの活躍を楽しみにしていよう。

株式会社ナイガイ 企画開発部 企画室
西野さおりさん

本業はくつしたのデザイナー。時々はまぐりちゃんのイラストの制作を手掛けている。
プライベートでは小学1年生の男の子を持つ母。
密かに華流ドラマにハマっているそう。「衣装も豪華で、ストーリーも面白く見応えがあります!」


※掲載内容は、すべて記事掲載当時の情報となります。

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