くつしたのデザイナーってどんな人?(土屋聡子さん)

あなたにとっては小さな存在かもしれない「くつした」にも、デザイナーがいる。1足1足に魂を吹き込むデザイナーはどんな人なんだろう。くつしたビト(くつしたと生活を共にしている人の呼び名)として、くつしたのデザイナーを語るに相応しい彼女に、話を聴くことにした。

ナイガイ 企画開発部 部長 土屋聡子さん

ナイガイで企画(デザイナー)と技術課を束ねる、くつしたづくりのキーパーソンである土屋さん。十数年前からマネジメントが中心となる今のポジションになったが、「くつしたのデザイン」に携わってきた、そのキャリアはなんと36年。
「学生時代は染色を学び、その後テキスタイルの会社でお手伝いをしていました。そのままテキスタイルデザイナーになるのかな、と思っていたのですが、たまたまお世話になっていた方からご紹介があってナイガイへ入社が決まり、くつしたのデザイナーへの道を進むことになったのです。」

最初からくつしたのデザイナーを目指していたわけではなかったと言うが、そのプロ意識の高さには驚かされる。
「くつしたの衣替えは必ずやっています。年に2回、クローゼットの中をお洋服と一緒に入れ替えるんですよ。くつしたのデザイナーになってからは、スタイリングをくつした中心に考えるのが日常になったので、買い物に行っても〝あのくつしたに合う服・靴〟という選び方をするのが当たり前になってしまいました。
今はカジュアルな格好をするようになりましたが、担当している商品・ブランドなどによって服装も変わるので、パンストを担当していた時は毎日スカートとパンプスというスタイルで通勤していました。」

くつしたのデザインをする上での醍醐味については?
「例えば、お洋服を作ることって分業ですよね。デザイナーの他に、パタンナーやテキスタイルなど、それぞれの担当がいて一着が仕上がる。くつしたは、デザイナーだけで完結させることが多く、絵が描けるだけでは一人前とは言えません。特殊な編み機を使うので、素材だったり、ゲージだったり、専門的なものづくりの知識が欠かせないので、すべてを理解するにはかなりの長い時間を要します。
知識をアップデートしていくには、工場の人や、社内のベテランスタッフとのコミュニケーションが絶対不可欠です。すぐに結果を求めたりすることは望めない。でも将来のビジョンを持って積み重ねていくと、良いデザイナーになれますよ。」
自身のキャリアからだけではなく、たくさんのデザイナーを育ててきたからこそわかる答えでもある。

そんなベテランの土屋さんにお気に入りの1足を聞いてみたところ、意外なものを紹介された。マラソン用の5本指ソックスだ。
「マラソンが趣味なんです。これのどこがお気に入りかと言うと、とにかく脱ぎ履きしやすいところです。アーチをサポートしてくれるという機能だけではなく、甲部分のメッシュのおかげか、スムーズに足指が出し入れできるし、指先部分もひっくり返りにくい。とにかくストレスがなくて、かれこれ5年くらい前からこれを愛用しています。」

そして、今日のスタイリングもさりげなく淡いピンクがのぞく、くつしたファーストのコーディネート。パステルカラーを取り入れながらも甘すぎないスタイリングで、チャーミングな人柄にぴったりだ。やっぱり、デザインを描ける人はセンスも抜群なんだな、と改めて感じさせられるインタビューとなった。

ナイガイ 企画開発部 部長
土屋聡子さん

プライベートの過ごし方
本文でもご紹介したマラソンに加え、30年来、無農薬で家庭菜園を趣味として続けている。珍しい野菜を育てることにチャレンジしたり、作った野菜を使ってバーベキューをするなど、休日は外時間を楽しんでいる。

土屋さんお気に入りの1足
マラソン用5本指ソックス (NAIGAI PERFORMANCE)

品番3050-005 ¥ 1,600(税抜)

※商品情報は、記事掲載当時の情報となります。

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