美しい手編みのくつした(MEG KNITTING)

遡ること約1年。縁あって、とある美しいくつしたに出会った。
これまでたくさんのくつしたを見てきたつもりであるが、思わず触れることを躊躇するほど綺麗なくつしただった。
一体どんな編み機を使ったらこんなものが作れるの?いや、これは編み機を使っていない。「手」で編まれているのだから。

MEG KNITTING(メグニッティング)のくつした

編み物を経験した人であれば、ひとつひとつの編み目が揃うように編み立てることがどれほど難しいのかわかるだろう。ましてや、くつしたは右・左があって1足なのだから、2つを均等に編み立てるなんて、そう簡単にできるものではない。
野生の鳥が草や動物の毛などで作り上げる、美しいフォルムをした芸術作品のような巣を思い浮かべさせる、そんなくつしただな、と思った。
足を入れてみてその心地よさにも驚かされる。吸い付くように足を優しく包み込んでくれるその感覚は、他の何にも例えることができない気持ちよさだった。 小さい頃、祖母に編んでもらった手袋やベストは使えば使うほど自分の手や身体に沿わなくなり、ボソボソとした触れ心地で(それも不器用な祖母からの愛情としてとても愛おしく感じるが)、手編みのものに心地よさを求めてはいけないと思っていたので、そんなことはないんだ、とこれまでの価値観を書き換えることになったほどである。
ただ、手編み故に、短期間にたくさんの足数を作り出すことが難しい。このくつしたを編み立てているデザイナーの山田めぐみさんは、1日の中でも多くの時間をひたすら編むことに使い続けているそうだが、それでも、私たちはこのくつしたを買い付けるのに1年間待ち、ようやく手に入れることができたのだ。
どんなに丁寧に作られたくつしたでも、くつしたである以上は使い続ければ破けることがある。
その点、MEG KNITTINGのくつしたは傷んで穴が開いた時には補修も受け付けてくれているそう。消耗品として扱われがちなくつしたをお直ししてもらえるなんて、モノの在り方が見直されつつあるこれからの時代の考え方を先取りするようなサービスであるし、また、もう既にそれ自体を待ち望んでいる人が少なからずいるということも、素敵だなと思った。

「『ようやく穴が開いたので、直してください!』と嬉しそうに連絡がくるんです。」とめぐみさんが教えてくれた。
穴が開くまで自分に寄り添ってくれたくつしたを誇らしく思えることって、本当にそのくつしたを大事にしていきたいと思っている証拠。そんな風に思えるくつしたに出会えることも幸せだ。

MEG KNITTINGのくつした

23cm・24cm ¥11,000(税込) / 26cm ¥13,200(税込)
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MEG KNITTING
ホームページ: https://megknitting.amebaownd.com
インスタグラム:@meg_knitting

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