フェムテック座談会

女性特有の身体の悩みをテクノロジーで解決する “フェムテック”という言葉が使われるようになり、日本国内でも共通課題として認識されるようになってきたように感じる。

「私たちはずっと足まわりのお悩みを解決したい、という思いで100年間ものづくりをしてきて、“フェムケア”はずっとやってきていると自信を持って言える。もっともっと倫理的なものづくりを求めて、これからはフェムテックを追求していきたい」と、開発のトップでもある土屋執行役員は語った。

私たちがこの1年で歩んできたフェムテックへの挑戦や、現場で感じることを教えて欲しくて、3人の女性スタッフと共に座談会をおこなった。


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まずは自己紹介をお願いします!

周:CS部商品課の周と言います。半年前から自社のフェムテックブランド「整(※)」の担当をしています。正直、携わるまで女性がライフステージの変化で身体の様々な不調を抱えているということにあまり意識をしたことがなかったのですが、自分自身が「整」の製品を使うことで改善することを実感し、驚いています。

三井:同じくCS部で営業をしている三井と言います。ドラッグストアを担当することになり、「整」をもっと知りたいと思って着用したのですが…周さんと同じくその効果を体感し、今ではリアルな声で率先してこのブランドの営業をおこなっています!

塩谷:技術開発部の塩谷です。今年の頭から社内で立ち上がった『フェムテックプロジェクト』に関わるようになり、新たなアイテムの開発を手掛けています。私もプロジェクトに関わるまではフェムテックというトピックに関心が強い方ではなく、なかなかそういった話題を同性同士でも語ることがありませんでした。そのためプロジェクトではまず、あらゆる年代の社内女性スタッフから、生理を始めとする女性の心身の悩み、不満等をヒアリングすることから始め、そこから見えてきた課題を解決できる方法をものづくりを通して探っている状態です。

※「整 TOTONO」
https://www.naigai.co.jp/lineup/totono/
進化系素材“テラックス ケアテクト”を採用したウェアのラインナップで、フェムテックブランドとして注目されている。遠赤外線を放出する鉱石がプリントされていることにより、血行促進、疲労回復など身体の不調をケアできる。

今でこそ女性の身体特有のトラブルについて認識がはっきりできたところかと思いますが、この1年位を通して、市場や社内での変化など、感じたことを教えていただけますか?

三井:「整」はフェムテックという言葉がまだ浸透していない2019年頃に、リカバリーウェアとして展開が始まりました。2021年の『フェムテックフェス』に出展したことをきっかけにフェムテックブランドとして認知されるようになったのですが、その頃はまだ業界の人しか知らず、特に男性は全く興味がないという印象が強かったです。バイヤーさんも男性が多いので、なかなかわかってもらえず、ちょっとお値段が高めの商品で扱いにくいと感じられてしまう状態でした。それが今年になって多くの店頭でフェムテックコーナーが作られるようになり、きちんとブランドとして確立したな、と嬉しく感じています。「整」にも居場所ができた!と。

周:確かに男性の反応は一つの評価でもあると感じますね。

塩谷:フェムテックプロジェクトを進めていく中で、そういった身体的な悩みについて言及する抵抗感は小さくなり、解決策を以前よりも気軽に話し合えるようになったと感じます。社内でも、女性ならではの悩みについて相談したい人が話しやすい空気が広がるといいですね。

女性の身体の話ではあるけれど、社会全体を通してそれを改善していくためには、タブー化しないよう、男性に受け入れ体制を作ってもらう環境が必要ですよね。他に分野の異なるところからの意見はあったりしましたか?

周:越谷レイクタウンにあるフェムテックショップbyeASU経由の、中国向けのライブ配信で「整」の商品を販売したことがあるのですが、国内からはあまり聞こえなかった幅広いサイズ展開の要望や、ペアや家族で使いたいので男性向けの商品も展開してほしいという意見もありました。

三井:フェムテックについで、“メンテック”というものも出てきていますよね。私個人とすると「整」を成長させるためにも、ジェンダーレスになって欲しいと思っています。入り口はフェムテックだったとしても、次のステップは壁をつくらず誰にでも寄り添えるブランドとして支持されるようになって欲しいですね。使ってみれば絶対に良さがわかるブランドだから。

周:何に効果があるの?という質問もいただきました。これは中国だけではなく国内のお客様からも聞かれることがあります。一般医療機器とはいえ表現できることにも限界があるので、伝え方も今後の課題ではあります。

塩谷:難しいですよね。多くの人が無意識にずーっと困っている「ちいさな悩み」を、ナイガイの商品を通じて解決してあげることができたらいいなぁ、ってホントに思います。
ちなみに、皆さんは普段お仕事中に調子悪いなという時、どうしてますか?

三井:私はこっそり散歩してる(笑)。

塩谷:私も席を立ったりしてます!

周:私はデスクの後ろが窓でちょうど公園が見えるので、今の時期だと紅葉を眺めて少しリフレッシュしています。

塩谷:自分のデスク以外に作業ができるスペースがあるといいですよね。フリーアドレスとまでいかなくても、今日は気分を変えてここでやろうかな、みたいな。

三井:そうですね、そういう場所があれば他の部署の人との交流もできたりすると思うので大賛成!
幅広い層に支持されている「整」と、塩谷さんが開発を進めているピンポイントのお悩みに立ち向かう新しい新商品、という別軸の商品群が、今この座談会で初めて情報交換ができているように、もっと社内でも縦と横で会話が活性化できるとより良いアイディアが生まれそうですね!

周:社内でも男女ポジションによって見えるものや意見が色々あるはずなので、もっとディスカッションをして、それをものづくりに反映させて女性のライフステージに合わせた“健康”と“活躍”を支援していきたいです。

三井:「整」を成長させるためにはそういう環境が絶対必要!会社を代表するブランドになるためにもっともっと多くの人の意見を取り入れていきたいです。
私たちナイガイが大事にしている「足どり軽く」という言葉は、これまで当たり前にされてきた不快・不調を1歩ずつでも良くなるためのものづくりに込められたものでもあり、フェムテックという言葉を単なるブームではなく、これまでもこれからも私たちが向き合っていくべき課題だと改めて感じさせられた。

当事者でもある女性スタッフが向き合って作り上げられていくフェムテックアイテム。今後、新たな発想で生み出される商品に期待が持てそうだ。

フェムテックブランド「整TOTONO」はこちら
https://www.naigai.co.jp/lineup/totono/

※掲載内容は、すべて記事掲載当時の情報となります。

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