手編みのくつしたに魅せられて(山田めぐみさん)

柔らかな肌触り。上品さを感じさせる美しく揃った編み目。足を通したときの声にならないほどの心地よさ。それはMEG KNITTINGの手編みのくつした。作り手・デザイナーの山田めぐみさんにブランドのこと、ご自身のことについてお話を聞いた。


MEG KNITTING デザイナー
山田めぐみさん


小学生の頃から手編みのセーターを作るなど編み物が好きだっためぐみさん。30歳の頃、友人のお母さんが編んだくつしたをプレゼントしてもらった。それがとてもあたたかかったそうだ。
くつしたを手で編めるとは知らず、まさかと興味が湧いた。そこで当時はほぼなかったくつした編みの本を見つけ出し編むようになった。
「はぎあわせが必要なセーターとは違ってくつしたは編み始めれば立体になり、最後まで編めることがおもしろくて。一足目はぶかぶかにできあがったけど、調整しながら作り続けて、毎年冬がくるたびに家族や友人にプレゼントしていました。」

40歳目前となったとき「私は何もやり遂げていない。私にできることはくつした編みだけだ」と思い、ブランド“MEG KNITTING”を立ち上げた。
くつしたを初めて編んだときからブランドをスタートするまで約10 年。小さい頃から編み物が好きだったとはいえ「手編みのくつした」に魅せられ、ここまで突き詰めるなんて。めぐみさんの”好き”なことへの真っ直ぐさ、芯の強さが感じられる。

またMEG KNITTINGのくつしたのデザインは変わらない。
「代わり映えしないことは恥ずかしくないと、意識しています。」
毎年一色新しいシーズンカラーが登場するものの、変わらずに同じものが手に入るという安心感が嬉しい。
2021年、MEG KNITTINGは8周年を迎えた。振り返ると決して順風満帆ではなかったそうだが、趣味である登山と比べると大概のことが大した問題ではないと感じるそう。
今現在、取扱店は10店舗以上にのぼる。どの店主もMEG KNITTINGの美しさ、履き心地・付け心地の良さに心底惚れ込んでいる。それだけではない。めぐみさんは、裏表がなく気持ちのよい方だとお会いするたびに感じる。各取扱店の店主たちはそのような人柄にも惚れ込んでいるのだ。

普段、自身で編み立てたくつした以外にどのようなくつしたを履いているのかと尋ねてみた。
「夏はコットン、冬はウール素材を履きます。色はブラック、チャコールやホワイトが好きで、シンプルな無地のものが多いです。」
半端丈のパンツを履くことが多く、クルー丈やハイソックスをあわせる。また、肌あたりがよく上質な素材を選ぶのもめぐみさんらしい。
最後に、編み立てているくつしたに込められた思いをうかがった。
「履いてくださる方があたたかいことはもちろん、少しでもおしゃれな気分が上がったり履くことでほっとできるといいなと思います。」

オリジナルの糸を使ったシンプルで美しい編み地の1足は、すべてが一人で行う手編みであるが故に年間で作ることができる数も限られており「まぼろしのくつした」とも言われているMEG KNITTINGのくつした。めぐみさんの思いが詰まった1足は、履く人の心まであたためてくれるであろう、まるでお守りみたいだなと感じた。

★めぐみさんが1足1足編み立てているMEG KNITTINGのくつしたの紹介記事はこちら

MEG KNITTING デザイナー
山田めぐみさん

2003年から手編みのくつしたを作り始める。「手編み感を感じさせない手編み」を志し、ブランドMEG KNITTINGを展開している。

学生時代はPOLO RALPH LAURENのくつしたをよく履いていたそうで、「ナイガイとの接点がその頃からあったのですね!」と、インタビューの時にはスタッフと盛り上がった。

今後はしばらく離れていた、趣味の登山を再開したいとのこと。

※掲載内容は、すべて記事掲載当時の情報となります。

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